私らしい

私と母は好みが違った

お姫様のドレスが憧れだった私と

シンプル、ミニスカ、サイケデリックに憧れた母。

自分好みに育てたかった母は、小さい頃は自分好みの服を着せ、自己主張始める頃は「そんな服は似合わない」「見っともない」「時代遅れ」「きて歩いたらおかしいと思われる」とモラハラを繰り返し、それでも自分好みにならないとわかったら「お前らしいね」と侮蔑の意を込めていうようになった。しかも自分と趣味のにた私の姉を味方につけて。家庭という狭い世界で多数決で負け、私は趣味の悪い、社会に通用しない出来損ないと言われたようなものだ。

好きな服を着る→失敗する→反省して修正もしくは趣味を突き詰めるという道を閉ざされ、完全に迷子になり、母が選びそうなものを選んでもダメ出しをされてノイローゼになりそうだった。自分でもチグハグな趣味になり、そんな頃に友達と買い物に行き、母の好みだろうと、これならセーフだろうと選んだスカーフを「あなたらしいね」と言われたとき、惨めで泣きたくなった。褒めてもらえる、それで大丈夫だよと言ってもらえると思っていたのに。そんな期待を年下の友人にするのは間違っている。でも子供だった私はそんなこともわからなかった。服を選ぶのが怖くなった